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最近”腐”の道に進みつつある女子
マイペースに更新していきます。
久しぶりで大変申し訳ありません、夕弥です。
最近ツイッターやみくしぃを始めまして。
日記が疎かになりつつあります……(ノ∀`)アチャー
みくしぃについては今更感が満載ですが、のろのろ更新しています。
はっ、インテの内容についてもレポしなきゃだ!Σ(゜Д゜)ガビン
まあその前にだむおー長編小説を更新です。
はじめに言っておきますが、今回はいつもと違って血生臭いシーンがあります。
流血っていうか、爆血(?)っていうか。
あと倫理的に良くないシーンもありますので15歳未満のお友達はご遠慮くださいー。
まー、ここに来ている時点で15歳以上だとは思いますが……思いますが……そうだよね?
ゆるゆる更新しますので次はいつになるかは不明です。
つづきからご覧くださいー。
[5] 戦闘開始の合図
そこはアイルランドより遥かに南に位置していた。
常に空気は乾き、風で小さな砂粒が踊るように舞う。カサカサと軽い音を立て、捨てられた紙切れが転がっていく。扉さえも朽ちた石壁の廃墟に、その男はいた。
粗野な風貌に赤獅子の様な真っ赤な髪。寝台に申し訳程度に敷いた毛布の上で、彼は酒瓶を煽った。
「いない、ってどういうことだ?」
目の前に立っていた少年が、怯えたように肩を竦める。
「あ、あの……。難民船に乗った所までは判ったんですが」
ガシャン、と酒瓶を強く台に置く。ガタガタと吸いカスだらけの灰皿が揺れた。
「それで?」
薄い唇が、凶暴に嗤う。ガクガクと膝を鳴らしながら、その目の前の少年は健気にも立ち続けていた。
「ふぅん。あいつの価値は、お前は判ってんのか?」
「“地図”を持っているとしか……」
大きな音が辺りを包んだ。ひ、と少年が小さく喉を揺らす。赤い酒が床へと染み込んでいく。少年は思わず床へと這い蹲った。
「そぉだ、“地図”だ」
苛立つ様に、その男は少年の様子を見下ろした。
この少年なんかは、味わった事のないであろう、ここで手に入る最上級の、水。少年はも用無しになった酒を手に入れようと床を舐めだした。アルコールの匂いが鼻に付く。少年は人生で初めての味のある水に、歓喜にも似た表情をした。
ばしゃん、と泥まみれの靴を酒の中に入れる。少年は気にする様子もなく、土交じりの酒を嬉しそうに舐めている。
「この世界が手に入るとまでされた“地図”だ。お前なんかが何百人と死んでも償えきれない強烈にして最強の“地図”だ!」
勢いに任せて男は利き手に持った白銀の刃を少年へと刺しつけた。
「あ……あああああああ!」
深々と刺さったナイフを抜く。びくん、と少年の身体は反応するように仰け反る。
少し位置をずらし、また同じくらい深く少年の背へと刃を突き立てる。気管を傷つけられ、少年は大量の血液を吐き出した。
「それを!」
もう一度。
「いないで!」
また、一度。
「すませるのか!」
遂に刃が肺を貫いた。痛みと呼吸困難で少年の身体が痙攣する。
既に意識はない。しかし、あまりの痛みで叫び泣いた顔は、何かを嘲笑っているかのように歪んでいた。
ごろり、と床に転がる少年の亡骸を、男は舌打ちをして蹴り飛ばした。
「おい!」
男が叫ぶと、何人かの少年が音もなく現れる。
「汚れた。片付けておけ」
「はい」
一番年長の少年が返事をする。まだ幼い子供達は、見知った少年の死体を見て唇を噛んだ。
男がジャンバーを取り上げる。
「どこかへ?」
「ちょっと出てくる。帰りは気にするな」
「はい」
男が出て行ったあと、最年長の少年は死んだ少年の足を掴み、そのまま引きずっていく。
「お兄ちゃん」
「なに?」
「ユラ、死んじゃったの?」
「そうだな」
ユラというのは死んだ少年の名だろう。お兄ちゃんと呼ばれた少年は感情もなく答える。
「なんで?」
「罪を犯したからだ」
違う少年が反応する。
「罪って、なあに?」
考えるように宙を見て、その答えとは別の言葉を少年は口にした。
「心配はない。ユラは神様の所へ行ったんだ。それより、早く片付けろ。今日は晩飯が一人分多い」
ぱっと少年達の顔に笑顔がともる。
「晩御飯、多いの?」
「ああ」
「やったあ!」
そのまま少年はずるずるとユラの死体を死体置き場まで引きずる。後ろからは、夕食の事を楽しそうに語る少年達の声が聞こえる。
「知り合いが死んで、喜ぶ、か」
自分で言っていて吐き気がする。
「神様なんて、誰が見たって言うんだよ」
冷たい肉隗になった友人を引きずって、死体置き場まで連れて行く。肉の腐った匂いが鼻腔をくすぐった。
ユラは、一人の少年の友人だった。……優しい、奴だった。
「ソラン・イブラヒム」
少年が名を呟く。
「ソラン、お前がユラを、友人を殺したんだ」
少年の目に、殺意がともった。
「この世界に、神はいないとお前は言った」
誰かに語るように、少年は呟く。
「歪んでいる、それは世界もお前も同じだ。そして、友人の死を悲しめない弟達もな」
死体置き場につくと、小さな獣達がこぞって逃げていく。この厳しい環境の中で生き残った獣だ。
「ソラン」
ユラをそこに投げ、小さく呟く。
ユラは、彼にとっても友人だった。そして同じくソランも。
「お前は、神を信じず誰を信じる?」
そして少年はその場を立ち去り、それっきり、ここに戻ってくる事はなかった。
弟達は、二人分多い夕食に、兄貴分の少年がいなくなったことは忘れていった。
ざああ、と熱いお湯が掛けられる。
顔を上げてロックオンを見ると、シャンプーを手にうきうきと近づいてきた。
「さあ、刹那。髪を洗うぞ」
「お前は髪を洗うのが好きだな」
「そりゃそうだ」
そう言って刹那の髪へと手を入れる。別に拒みもせずに、素直に従う。
「知ってるか? 髪を触れるって事は特別なんだぜ」
そう言って鼻歌交じりに髪を洗う。リンスまで終えると、ロックオンは刹那の背中を軽く叩いた。
「はい、終了。しっかり温まれよ」
そう言って、そのまま風呂場を後にしようとする。
「ロックオン」
「ん?」
刹那に呼び止められ、笑顔で振り向く。
「お前は、風呂に入らないのか?」
いつも刹那を洗ってくれるが、一緒に入った事はない。それどころか、ロックオンは刹那の前で脱ごうともしなかった。
「……入ってるよ。ちゃんと」
「そうか」
それだけで会話は終わる。そして無言でその場を後にする。
脱衣所で、ロックオンは濡れたTシャツを脱いだ。
背中に、大きく刺青が見える。それは、刹那の肩にあるものと似ていたが、大きさが、まるで違った。
ロックオンは簡単に身体を拭くと、無表情で自分の身体を眺める。醜い、獣のような刺青。物心付いた時は、既にあった。弟にも、妹にもない。自分だけの印。
刹那に肩の刺青の事を訊きたいと思った。
同じものなら……。
そっと鏡の中の自分に手を置く。
「そんな偶然、あるわけないよな」
そう言って服を着る。刹那が寝たら、また自分も風呂に入ろう。
「せ、つ、な」
風呂の中で小さく名を呟く。笑顔で、名前を付けてくれた。
「そ、ら、ん」
もうひとつの名を呟く。この名をつけたとき、名付け親はどんな顔をしたのだろう。
「ゆ、ら」
どうなっただろうか。実は彼は自分の逃亡に手を貸してくれたのだ。
「ろ、っ、く、お、ん」
なんでこんなに尽くしてくれるのだろう。仕事場には、いつ連れて行ってもらえるだろうか。
最後に頭に浮かんだ男の名を紡ぐ前に口を閉ざした。
彼の名は、口にしてはいけないような気がした。
「アリー・アル・サーシェス……」
しかし、小さく口にする。きっと、彼は自分を追う。凶暴な目が、頭から離れない。
最後に、ちらりと浮かんだ小さな戦友の姿を思い出し、次にユラの顔を思い、目を閉じた。
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アリーさんが出てきたら血生臭くなるのは仕方ないよね!
開き直りとはこのことですが。
オリキャラ多くてごめんなさい。
ばっさばっさ殺してごめんなさい。
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