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晴れの国在住。
最近”腐”の道に進みつつある女子
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2009/11/24 (Tue)
なんか00ばっかり書いてたのでリハビリがてらオニャノコ口調で
雪乃さんの独白です。
甲田さんは本当に精神的にも肉体的にも素晴らしいのでその世界観で。
少し流血物です。
つづきからどぞ



『痛みと普遍』


「<私の痛みよ世界を焼け――――――――>!」

 

 轟(ごう)。
 過去の恐怖と共に蘇る、私の悪夢。
 焼き尽くせ。
 焼き尽くせ。
 憎むべき、この世の悪夢。私の悪夢。
 
すべてを炎は包んでゆく。大きな痛みと、微かな後悔を宿して。
ばらばらに切り刻まれた遺体。指の一つ一つの関節、内腑の一つ一つの臓器。普段の用途からは考えられないような使われ方をした解剖器具たち。
なんで、なんで。
どうして、と、叫びたかった。
そう思ったのは最近だけど。当時は何が起こったのか判らなくて、何が私を襲ったのかが判らなくて。
そして私は復讐者になった。
泡の悪夢と言う、強大な敵への。
たんぱく質や有機物の燃える臭いが鼻をくすぐる。
吐き気がする程、くさい。
その内に苦しむ悶え、声なき声を上げていた私の敵(てき)が倒れた。
元の形が判らない程消し炭にした。もう指ひとつ動かせば自然と自ら崩れるのだろう。
「……はあ」
 荒い息を吐き、私は考える事をやめた。
 踵を返して部屋の外に出る。そこには非難させておいた颯姫ちゃんと泡の元がいる。
「颯姫ちゃん、あとお願い」
「はい!」
 笑顔で応えて部屋の中へと向かう。彼女に続いた元凶(あわ)が小さく悲鳴を上げる。
 何も聞こえない振りをして外に出る。
 ベンチに腰かけ、空を見る。蒼く、どこまでも高い空。
 私は、化け物になるの。
 こんな悲しみ(かんじょう)はいらない。
 でもいつも襲ってくる、大きな心のうねり。
 唇を噛む。
 あたりを見渡すと、平然とした顔で道を人が通る。
 この中の何人がこの世の現実を知っているのだろう。
 もう、戻れない。
 いいや、戻らないの。私はもう別の世界の人間なのだから。
 いや、と私の頭にひとつの顔が浮かんだ。
 いつも気に障る笑みをした、ひとりの男の子。
 その笑みは普通の人にとってはただの優しげな笑みだ。
 でも私にはその笑顔を見る資格はない。見なくても、大丈夫。
 大丈夫な、ハズなのに。
 軽い駆け足が聞こえてくる。
「噂をすれば、なんとやらね」
 自分にしか聞こえないように、小さく呟く。
「雪乃さん!」
 予想通りの顔がフェンスの向こうに見えた。
近づいてくると、ぎょ、とした顔で私を見た。
「なに?」
「……血が」
 またか。何度も現場に足を運んだと言うのに、まだ血なまぐさい事に慣れてないらしい。
「いつものことでしょ」
 そう言って隠すようにスカートの端に左手をしまう。
「でも、ちゃんと止血しないと」
 そう言って彼は私の手を取り、ハンカチを当てた。
「僕は応急処置の方法なんて知らないから。でもしないよりは、ね」
 なにが、ね、なのかが判らない。
 ただ反論しても意外に頑固な彼は許してくれない。ここ何ヶ月かの経験でそれを知った私はあえて声は上げずされるがままに従った。
「よし、これでいいよ。ちゃんと押さえておいてね」
 そう言って立ち上がり、にこりと笑う。
 普通の生活を愛する、彼の笑み。
 私は、もう道が違う。この笑顔の傍に入れない、いちゃいけない。
 もう、戻れないんだから。


 どこかで黒い影が笑った気がした。



*********

雪乃さんは本当は優しい子なんです。
風乃さんはドSだけどねwww
白野くんを意識しつつも平静を保とうとしている雪乃さんは可愛い
白野くんは完璧雪乃さんLOVEですしね。

*********

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