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最近”腐”の道に進みつつある女子
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2009/01/30 (Fri)
ジルライ二話目の二枚目です

 心配そうに薙刃が鎮紅に聞いた。

「実はですね、薙刃さん……」

 

 

『やめんか、この変態が―――――!!!

――ドカ、ずべしゃっぁぁ!!!

 

 

 アルドが皆まで言う前に、ライルの怒号と盛大な物音が聞こえてきた。みんなの顔が階段のほうを向く。

 

『おまっお前はなぁ……!』

『酷いなあ、殴ることはないじゃないか』

『ふざけんな! 何しようとした!』

『えーっとねぇ……』

『答えんでいい!』

 

 ライルとジルベルトの会話が徐々に小さくなっていった。ライルが落ち着いてきたのだろう。

「喧嘩しているんでしょうか…。見に行ったほうが」

「あー、いいですよ。馬に蹴られますよ」

「は?」

にやにやと階段の方を見ているアルドに、リタは目を丸くした。しかし『邪魔者は 馬に蹴られて 死んじまえ』と言う言葉は知らなかったらしく、アルドの言葉の意味は気付けなかったらしい。口の中で馬について必死に呟いている。

(さーて、もうちょっと放置しておきますかね)

 そんなことを考えているアルドを眺め、マリエッタはやれやれと嘆息した。

 

 

 

 

 

 思いっ切り顔面を引っ叩かれたらしいジルベルトは不服そうな声でライルに抗議した。

「何でもいいって言ったじゃないか」

「何でもって、俺はモノじゃない! 第一皆になんて言うんだ!」

「ライルは僕のものだよ」

 抱きつこうとしたジルベルトにライルはもう一度拳を突き出した。今度は額に当たる。

「そんな照れなくてもいいのに」

「変な解釈するなっ。……はぁ、別のものは?」

「じゃあ、一晩ライルと」

「却下!」

 腕を組んでぶちぶちと文句を垂れるジルベルトを眺め、ライルは胸の中が空っぽになるまで息を吐き出した。

「じゃあ、なんか好きな食べ物を言え。出来る限りなんでも作ってやるから」

 出来る限り、という所を強調してライルはジルベルトに提案した。

「全部俺ひとりで作ってやる。それでいいだろ?」

「だいぶランク下がるね」

「…………うるさい」

 そのコトはライル自身も重々承知していただけに突っ込まれると痛かった。しかしそれ以上は出来る自信がなかった。

(というか、まだ俺たちはそういう関係じゃないんだ。……まだってなんだ! しっかりしろ、俺)

「ライル、どうした?」

 ひとりで頭を抱えだしたライルにジルベルトは少し驚いて手を伸ばした。

「あー、くそっ!」

「うわっ」

 いきなり叫んだライルは、ジルベルトに睨みつけるように向き直った。

「俺はこれが限界だ! 他のものは出来ない!」

 これ、というのは料理のことだろう。ライル的に、かなり一杯一杯なのが見て取れるように判った。しかし、一生懸命自分なりにジルベルトを祝おうとしているのも判ったのでジルベルトは可笑しそうに

ふっと笑った。

「いいよ、文句なし」

「よし」

 ほっとしたように胸を撫で下ろし、下に戻ろうと後ろを向く。と、突然ジルベルトはライルを抱きかかえた。

「ちょ…ジルベッッ……!」

「あー、落ち着く」

 ジルベルトはライルの肩に額を押し付けてそう、呟いた。

トクン、トクン、とジルベルトの鼓動が伝わる。なんだか気分が下がり、少しの間されるが儘になっていた。

「……ん?」

 密着した状態で、ライルは彼の体温が少し高いと気付いた。そう言えば、今まで寝ていたらしい。

「おい」

「…………」

 呼び掛けたが、返事が返ってこない。

「おい! ジルベルト?」

 ライルが体勢を変えると、いとも簡単にその体を倒してきた。

「おい! おい!!

 何度も呼びかけるが、返事はなかった。顔を覗き込むと、白い顔をさらに青白く染め、頑なに目は閉じられている。

「ジルベルト!」

 ライルが泣きそうに顔を歪めたとき、階段の下からひょっこりアルドが顔を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 濡れた手拭を絞る。桶の中に水滴を完全に入れて、ライルは顔を上げた。「不機嫌」を絵にしたような顔でジルベルトを睨む。

彼はあれから寝込み、夜になるまで部屋から出ることも出来なかった。

原因は――「過労」。

 夏の暑さとその熱気の中駆けずり回っていたこととで体に限界が来たのだ。

 冷たくなった手拭を宙で畳み、彼の額に乗せる。

 冷たさで目が覚めたようだ。うっすらと目を開いている。

 眼球がライルを映す。

「ずっといたのか?」

「ああ」

 やはりライルは不機嫌そうだ。

「ライル、どうした?」

「…………」

 およそ百はゆうに数えれるであろう位間が空き、ライルはぽつりと言葉を漏らした。

「……疲れてたんなら、言えばいいだろ」

 どうやらジルベルトが無理をして仕事をしていたのがそうとう堪えたらしい。事実、ジルベルトが駆り出されたのはライルがいつまでもガルシアと神無(かんな)を見つけられなかったからだ。そしてジルベルトが無理をしてまでもより早く彼らを見つけようとしてくれているのはやっぱりライルの為な訳で。

「本当に、どうしようかと思ったんだぞ?」

 上目遣いに睨みつける。しかし気分のせいか自責の念のせいか、視線がそこはかとなく心細い。

 ジルベルトは暫くライルを見ていたあとで、ゆっくりと上体を起こした。

「こら! ちゃんと寝てなきゃ……」

 みなまで言わさずジルベルトは近づいた彼の唇を塞いだ。ライルは大きく目を開く。

「……ん!」

 舌で歯茎をなぞる。ライルの肩が大きく反応した。

 体を離す。ライルはその場にへなへなと座り込んだ。見えるところを全て真っ赤にして、呆然とジルベルトに目をあわす。

「誕生日プレゼント」

 にっと笑ってジルベルトは自分の口を指差した。

「ディープキスは、初めてだよな。軽かったけど」

 そう言ってライルの額を軽くつつく。そうされて、やっとライルの思考は回転しだす。

「お…ま…!」

 うまく言葉が出てこない。

(軽くない! 絶対軽くない! つーか、俺は初めてだったぞ!)

 くすくすと笑うその顔面を殴ってやろうかとも考えたが数刻前まで寝込んでいたのでやむなく断念する。なにか仕返しをしてやろうと考えるが思いつかない。

 巡るましく回っていた頭に突如バグが発生した。ジルベルトがベッドから出てライルに近づいてきたからだ。

「続き、やる?」

自然と体勢は天を向く。

 

「こ…の…。ふざけんな――――!!!

 

 悲鳴染みた怒号と共に、今度こそライルの鉄拳が飛んだ。

 

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